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【和太鼓コラム】高校和太鼓のこれから

【和太鼓コラム】高校和太鼓のこれから

東京都の中央大会も終わりもう2週間が経ちました。
色々なチームが新たに動いているかと思います。

そんな中で、今回の中央大会から見えた高校和太鼓のこれからについて一部書こうかと思います。

率直に言えば、今後は競技和太鼓というジャンルが生まれるのではないだろうかと思いました。

大会から受けた印象

dsc01033今年の東京都のレベルは去年にも増して高いものでした。
全国の和太鼓全てを見ているわけではないですが、おそらく全国的にレベルは上がってきていると感じます。

それに合わせて、最近は和太鼓の大会、特にジュニアの大会というものが急増しています。

しかしながら感じることは、どの高校も同じ路線になりつつある印象を受けました。。統一感のある打ち方に、一斉に打つ和太鼓。簡単に言えば、和太鼓を連想させ、審査受けするような和太鼓と言うべきでしょうか?
音楽ではなくスポーツ、チームとして審査員のゴールを撃ち抜くような戦略を立て役割を果たす。そういう和太鼓になりつつある。

レベルが上がり、拮抗してきている。その中で勝ちを掴む為に、先鋭化され統一されていくのは当然なのかもしれません。

統一と現状、そして競技和太鼓へ

dsc00365統一されつつも、和太鼓は本当に流派が細かくバラバラです。統一されたものもなく、三曲の六段の調のような共通の曲もない。審査も大会ごとの審査員によって評価する基準はバラバラです。

なので、競技和太鼓です。バラバラのものが統一され始めているのならいっそのこと、共通のルールを明白にし競技にしてしまうことでいいのではないでしょうか。

和太鼓なのにそんな競技性をもたせたら音楽ではなくなる、という方もいるかと思います。私自身もそう思う所はあります。しかし、競技性を持たせても必ずしも音楽、芸術でなくなる訳ではないかと思います。

競技ダンススケートなどに近いです。スポーツでありながら芸術、そんな流れになっていくと思います。

そしてもう一点、競技和太鼓をと思う所としては、競技性のない和太鼓と競技性のある和太鼓を分ける必要性があると感じたからです。

全ての和太鼓が先鋭化されている訳ではありません。できたばかりの部活だけど、皆で楽しくやろう、成果を披露したい。そんな高校も大会にたくさんありました。

とても良いことだと思います。誰もが最初に持っている根源的な楽しさ、本当に大切なのものがそこにあります。しかしながら、先鋭化されていく風潮はそれを許さなくなってくると思います。

彼ら自身が自ら研鑽してそちら側に進みたいと思うなら良いですが、そうでない所もあります。そんな中、先鋭化された環境しかなければ息苦しくて太鼓を辞めていってしまう可能性もあります。

だからこそ、競技和太鼓としてジャンル分けをされていくべきなのではないでしょうか。スポーツだって全てがプロユースのように育成所だったら息苦しいと思います。ただ楽しくやりたい、その成果を見せたいけど、その場所がなかったら辛いですよね。

善し悪しは分からない…しかし確実に変化の時…

それが良いことなのか、悪いことなのかは分かりません。
発展という意味では、技術力の高い奏者が増え良いのかもしれません。

私の指導する高校も、全国を目指しそのおかげで色々なものを手に入れることができました。なので、これを機に和太鼓の新たな側面が生まれる可能性を秘めています。

和太鼓の興隆を経て、一般化してきたからこそ1つ固まろうとしている時期なのかもしれません。
どのような形になるかは分かりませんが、現状のまま行けば、高校和太鼓、若年の和太鼓層は今後もっと先鋭化されていくんだろうなと思います。

打ち手も指導者も忘れないで欲しいなと思うことがあります。どんな中であれ、自らの音楽性、信念は見失わないでほしいということです。

論理性に欠ける部分もありましたが、若い太鼓打ちからベテランの太鼓打ちまで、今後考えていかなければいけないことなのではないかと思います。若い太鼓打ちが次世代を作るわけですから。

今後も何か意見があれば、提起していきたいし、和太鼓奏者とも意見を交わしたいですね〜それでこそ、ポータルである意味がありますね〜

他にもこれからについて感じたことはあるけど、今回はこれくらいで〜


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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. 愛知県の高校和太鼓部で指導しているgakuと申します。
    和太鼓のコンクールの在り方を考えるものとして、貴コラムを大変興味深く拝見しました。
    高校生の和太鼓コンクールの一番の課題は、入賞できなかった高校が以後何を目指せばよいのか、少なくとも指導者、望ましくは部員が理解できることだと思います。

    が、全国大会をみても、音楽演奏(八千代高校さん)からパフォーマンス系(芥川高校さん)までさまざま、それこそダンスコンクールに創作ダンス、リズムダンスから日本舞踊までが混在しているようなものです。

    そういう意味ではkeisuke様が言われるところの先鋭化、ある程度フォーマットを統一しないと、部員はおろか指導者さえも何を目指せばよいのか、わからないですね。

    また、高文連の大会規定には明記されていませんが、勝負をかけるならオリジナル曲、というのが暗黙の了解かと思います。となると、技術力や表現力以前にオリジナル作品の出来栄え、つまり作品力で6~7割は勝負がついてしまいます。そのため全国大会を目指すような高校では指導者が作曲するケースがほとんどだと思います。高校の部活ともなれば、コンクールを勝ち抜くために部活で飯を食っているような教員が指導したりプロの力を借りることは吹奏楽、ダンスなど他のジャンルにもあることなので、それ自体は悪いことだと思いません。
    ただ、審査員(プロの和太鼓奏者が多い)も対大人となると遠慮や自分の活動への影響もあるので、作品そのものにコメントすることはある種タブーになってないでしょうか?
    そうなると部員としては「こんなにがんばって、自信もあったのに、何で選ばれないのか」という思いだけが残ってしまいます。
    そうしたことをまとめると、keisuke様の言われる「先鋭化」を超えて、コンクールでは課題曲を設定することが一番だと思います。

    ただ、

    コラムの看板写真にもあるように高文連の大会は「郷土芸能専門部」です。
    ということは和太鼓であっても郷土芸能(民俗芸能)に属する太鼓の舞台演奏が本来なのではないでしょうか?今夏の全国大会でも審査員の方が「本来は」の但しつきながらそんなようなことをおっしゃってました。
    東京都代表の南多摩中等教育学校さんは八丈島太鼓をベースにした作品を演奏されていましたが、今回は選ばれなかったのでしょうか?また、東京都には神田囃子などの江戸系囃子もあり、和製ジャズ的な音楽演奏としての可能性を感じますが、そういう作品を上演する高校はないのでしょうか?また、愛知県では全国大会の伝承部門に該当するような和太鼓ではない、郷土芸能の演奏もエントリーしていますが、東京都はどうなっていますか?

    高校和太鼓コンクール一般に関してはある程度フォーマットを規定する、もしくは課題曲を設定することが望ましいと思いますが、高文連の大会に限っては「郷土芸能としての和太鼓」をもっと重視するべきだと思っています。

    「競技性のある高校とそうでない高校を分ける」これについては私も賛成です。
    高文連の大会にエントリーする高校の中には、コンクールで勝つためのステージ演奏より、地域貢献と称するところの地域コミュニティでの演奏を重視している高校も少なくないと思います。これも吹奏楽部などとは異なる、和太鼓部の特殊性です。成果発表と交流、よりありていに言えば「おつきあい」で参加している高校に対して、競技的な観点で評価したり、ランク付けするのはお門違いのような気がします。地域コミュニティでの演奏にはコンクールでのステージ演奏とは異なる観点、課題があります。白昼の公園での演奏で過剰な振り付けは不自然だし、デイセンターでのお年寄りを前にして「ド迫力で圧倒」であってはいけないと思います。

    • gaku 様

      コメントありがとうございます。
      邦楽村のkeisukeです。

      同じ和太鼓の指導をされている方に読んでいただけて恐縮です。
      常々、コンクールの在り方について考えていました。
      このように他の方からご意見をいただけて嬉しく思います。

      gaku様のおっしゃる通り、入賞できなかった高校が以後何を目指せば良いのか、現状そこが置き去りとなっており、今後の大きな課題として感じます。
      高文連の大会を始め、多くのコンクルール太鼓のプロを養成する訳ではなく、人間としての成長を目指しているという場合がほとんどです。
      しかしそこが置き去りになっている為、成長しようにも、させようにも方針が見えない。
      もし、それは自分たちで探せというのであればあまりにも不躾かなと思います….

      課題曲、本来は吹奏楽などと同様にそれがあるのが良いですね。
      しかし、やはり打ち方や人数によってそれを設定するのが難しいというのも現実…
      三年生や他の部活から助っ人を頼まないと人が足りない部活もある中で非常に難しい問題です。

      今年は南多摩中等教育学校さんは全国へ行くことはかないませんでした。
      高文連の大会の伝統芸能という点で考えれば、南多摩中等教育学校さんの八丈太鼓は芸能であり、なおかつ現代の和太鼓要素を盛り込んだ素晴らしい演奏です。
      しかし、全国に行けなかったという所を見ると、真に見直すべきは全国に行く過程までの審査の観点なのかもしれませんね。
      そもそも全国へ行く過程が統一されていない状態だからこそ、ここまでの現状になってしまっているの可能性も否めないです。

      これは極論ですが、とある県はホームラン数で甲子園行きを決め、とある県は盗塁数、とある県は普通に勝敗で…という感じでしょうか。
      これだけを見るとアホのような理論に思えますが、現状こんな感じになりつつあるのではとも思います。

      東京都は、篠笛などの要素を取り入れた高校もありますが、お囃子を前面に押したような演奏の高校はほぼなかったと記憶しています。
      やはり多くはガッツリ系の和太鼓がメインというべきでしょうか。
      今回の記事も東京都の大会を見続けており、だんだんと寄ってきていることを発端に書きました。
      大会で勝てる太鼓、勝てる曲、ジャンルは様々なのに、ジャンルが少ないという矛盾と言うべきでしょうか?
      勝てる太鼓こそが正という印象を受けます。
      それが和太鼓の世界が向かう方向なのか?
      ただただ疑問を感じます。
      こちらに関しては大人の問題ですが、大会で〇〇位という所をやたらと誇張する所も少なくはありません。
      そして子供はそれが普通だと思い、誇りに思う。
      大会の順位が誇りになっていってしまう事に悲しみを感じます。

      音楽としての和太鼓、芸能としての和太鼓、伝統としての和太鼓、これらがコンクール至上主義の中で歪んでいってしまわないよう(そもそも何が正なのかも難しいですが)、一人一人がちゃんと考えていかないとダメな難しい問題ですね…

      愛知県の大会の様子や、状態などもとても興味があります!!
      もし、何か機会があればgaku様とお話してみたく思います。

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